翻訳ひといきコラム

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翻訳学習

わたしと翻訳 ~齋藤さんの場合~

(株)サン・フレアの登録翻訳者インタビュー2人目は、特許分野の翻訳者 齋藤昌子さんにお話をうかがいました。
・登録分野(言語方向): 特許明細書/バイオテクノロジー(日英) ・翻訳者歴: 17年

「ほとんどの人がなれない」という言葉から特許翻訳の道へ

翻訳者になろうと思ったきっかけと、特許分野を選んだ理由を教えてください。

在宅で英語を活かせる仕事をしたかったので、翻訳者を目指しました。なんとなく選んだ翻訳学校(個人経営のところで今はもうないです)の説明会で、特許翻訳者になるのは本当に大変で、勉強してもほとんどの人がなれません、と言われてむしろやりたい!と思いました。バイオテクノロジーは、その当時新しい分野で、どうせやるなら新しいものをと選びました。

翻訳者を目指そう!となった時、「文系出身」「理系出身」は関係あると思いますか。

私は「文系出身」で、中学生レベルから化学の勉強をしないといけなかったのでそこは大変なところでした。しかしながら、特許明細書は、原文に誤りの無いものは一度も出会ったことがないというぐらい誤りが多く、また独特な表現も多いので、文章を読みとる力がとても大切です。化学的知識が十分でなくてとも、文章の違和感から原文の誤りに気付けたり、一文がかなりの長文であっても内容を読み取れたり、さらに日本語の言い回しに引っ張られることなく内容を理解できたりするので、「文系」としての利点も生かせます。「文系出身」「理系出身」が関係ないとは言えませんが、ただそれを理由に諦めるほどの要因にはならないと思います。

一件一件丁寧に―― 「いつの間にか17年たっていました」

翻訳者になってから苦労した点はどのようなことでしょうか。

納期です!案件を引き受ける前に原文を確認していますが、実際に翻訳を始めると予想より時間がかかったりすることも(正直、今でもそういうことはあります)。仕事を始めた当時は、時間配分なども難しく、常に納期に追われていました。仕事以外の生活は皆無という時期も。今思えば、納期が厳しいと思ったら早めにコーディネーター様に相談したりと何かしら対処の仕方があったのですが、その頃は自分で何とかするものだという意識が強すぎました。

翻訳者だけで生計をたてるまでどのくらいかかりましたか。

この仕事を始めてすぐに会社員時代の月収を大幅に超えました。

翻訳者になってから気をつけていることはなんですか。

どんな仕事でもそうだと思いますが、一件一件丁寧にやることです。毎回一生懸命仕事をしているうちに、いつの間にか17年たっていました。

最後に、今後の夢や目標があれば教えてください。

忙しくて全然眠れないというような時ですら仕事をつらいと思ったことがなく、辞めたいと思ったこともありません。なので、この先もずっと、70歳80歳になっても仕事を続けたいと思っております。技術は日々進化しているので、自分自身も常にアップデートするために勉強していきたいです。

~PMより~
齋藤様はとてもたくさんの案件を引き受けてくださり、いつもPMを助けてくださる翻訳者さんです。どんな案件でも意欲的にご対応をしてくださり、短い納期であっても前向きに引き受けていただいています。
文系出身ということではありますが、私が所属する化学知財商品サービス部で受注している特許明細書の分野である化学・医薬・バイオのすべてを翻訳できる少ない翻訳者の中のお一人です。
齋藤様の文系出身というその強みを生かした翻訳文は読みやすく、更にしっかり技術面の調査をされている真摯な姿勢を校正やチェッカーも感じているとのことです。そのため、お客様からも信頼され齋藤様指名でというご依頼もとても多いです。
以前お会いした際は、とても気さくにお話をしてくださる方で大変魅力的な方でした。
これからも長くお仕事を一緒に続けてさせていただきたいです。

神田(化学知財商品サービス部)

サン・フレアアカデミー

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