翻訳学習
2023.01.06
わたしと翻訳 ~黒木さんの場合~
・登録分野(言語方向):IT・電子機器(英日/日英) ・翻訳者歴:21年
一度だけの人生 「別の生き方もしてみたい」
翻訳者になる前はどのようなお仕事をされていましたか。
子どもの頃からモノをいろいろ作るのが好きだったこともあってモノ造りの世界へ入り、電子機器製造会社で製品の設計から生産までの業務に携わっていました。元々の専門は電子回路でしたが、樹脂成形や機械加工の世界も知ることができました。
翻訳者になろうと思ったきっかけを教えてください。
会社では管理職も務めましたが、自分はやはり現場人間だと感じたこと、また一度だけの人生なので、別の生き方もしてみたいと思ったことです。4年ほどの米国勤務の経験もあり、帰国後も海外との往来や英文による業務がありましたので、英語を使う仕事を自然に選んでいました。
翻訳者登録に至るまでどのような学習、工夫をしましたか。
通信講座で翻訳の学習を進めました。社内でも製品開発の傍ら翻訳の作業を進んで引き受け、スキルを磨きました。海外の製品規格に適合するための製品設計も手がけていましたので、各国の規格当局との連絡業務もプラスに働きました。
翻訳の魅力は「多様な知識が身につくこと」
翻訳者になってから苦労した点はどのようなことでしょうか。
英語は扱い慣れていたとはいえ、会社員時代とはまったく違う業界に入ったので、仕事の進め方から、細かいところでは業界用語まで未知の世界でした。その点では、サン・フレア様にオンサイトで1年ほどお世話になったことがたいへん効果的でした。
「翻訳」の魅力は何ですか。翻訳者になって良かったことはなんですか。
多様な知識が身に付くことです。自身の専門分野を起点に、翻訳を進めながら自分の引き出しを増やしていけますし、また増やしていかないといけません。専門分野以外にも興味を持つと、それが翻訳に役立つこともおおいにあり得ます。実際、それまでの仕事とは無関係に個人的な興味で触れていた光学の知識が、現在翻訳で役に立っています。
最近の翻訳のお仕事はどのような状況でしょうか。
CAD関連、ネットワークセキュリティ、電子部品関連の案件を多くいただいています。また、従来はTRADOSが支配的だったCATツールも最近は多彩になっていますので、翻訳スキルのブラッシュアップも欠かせません。
翻訳者になってから気をつけていることはありますか。
なんといっても健康維持です。パソコンの前に座りっぱなしになりやすいので、意識して体を動かさないといけません。簡単にできることから、時間を見つけてランニングやウォーキングに励んでいます。
最後に、今後の夢や目標があれば教えてください。
「エンドユーザーの立場に立った翻訳」を目指してきましたが、今後もそれを追求していきたいと考えています。私の直接のお客様はサン・フレア様ですが、その先には、翻訳した文書を使用して仕事するエンドユーザーがいます。そのエンドユーザーが困惑することがない翻訳を志向していきます。
黒木様のプロフェッショナリズムにいつも敬服しています。私たちICTビジネスユニットが扱うドキュメントは、ネットワークや通信だけでなく、サイバーセキュリティ、プログラミング、CAD関連のソフトウェア、光学関連のソフトウェアと大変幅広く、新しいタイプの依頼がきて悩んだ時の駆け込み寺が黒木様です。ご相談させていただくと、「あ、はい、先日その分野の記事を読みました」などとおっしゃっていただき、胸をなで下ろすとともに、普段から新しい技術・知識をどん欲に吸収されているのだなと感じます。PC環境もハードディスクのバックアップを行っていたり、その盤石な備えに助けられたことは一度や二度ではありません。最近では、後進の育成のために、トライアル評価などをお願いすることも増えましたが、まだまだ翻訳やチェックで黒木様を頼りにさせていただく場面も多く、これからも末長くお付き合いさせていただけますと幸いに思います。(ICTビジネスユニット高松・金)
サン・フレアアカデミー