翻訳ひといきコラム

翻訳学校のサン・フレア アカデミー

翻訳学習

文系でもメディカルライターを目指そう!

2023年5月に開講した「日本語メディカルライティング【基礎編】」(講師・福井克之、薬物動態担当・太田勝次)。これまでに14名の方が【基礎編】を受講され、10名が【演習編】へ進まれました。その中から5名が最終試験となる(株)サン・フレアのトライアルに合格、登録制作者としてQC点検者やメディカルライターとして仕事をするための切符を手に入れました(2025年11月現在)。
その5名の方々のバックグラウンドは多くは理系で、製薬会社勤務経験のある方もいらっしゃる一方で、文系出身の方もいらっしゃいます。
今回は、講座修了後、弊社QC点検およびメディカルライティングトライアルに合格された中村 恵(なかむら めぐみ)さんに、「TQE合格者インタビュー」のごとく、たっぷり語っていただきました。

自己紹介をお願いします

この度、QC点検およびMWトライアルに合格した中村 恵です。大学は外国語学部英米語学科でした。卒業後、長年勤めていた運送・倉庫会社を2025年の5月に辞め、フリーランスの医薬翻訳者になりました。

英語の学習歴を教えてください

勤めた会社では、英語を使う仕事ではなかったため、英語を忘れない程度に洋書を読む、ぐらいで、ガッツリ英語を勉強した、という記憶はありません。英語学習というより、翻訳学習で学んでいった、という感じです。

翻訳の学習歴を教えてください

学生時代に、漠然と、英語を使った仕事という意味で翻訳者になりたい、という夢があったので、社会人になってから通信講座で、翻訳者を目指すために最初に受けるような入門的な講座を受講しました。ですが、難しくて、挫折してしまいました。それでも諦められず、どうせ難しいなら専門性の高い医薬翻訳者になろう、と思い、次は医薬翻訳の通信講座を受講しましたが、またもや難しすぎて挫折しました。そこから、自分には無理だと思い、5年程翻訳学習から遠ざかっていました。それでも、ずっと心の中で翻訳者への憧れが消えず、思い切って翻訳学校へ通うことにしました。私が住んでいる愛知県には翻訳学校が無いので、新幹線で大阪まで月1回、治験翻訳の学校へ通いました。大阪に行くのは、ハードルが高いと思っていましたが、意外と大変じゃなく、もっと早く通えば良かったと後悔しました。大阪には2年間通いましたが、まだ自信が無かったのでトライアルを受けることなく、2年程、翻訳学校の教材を中心に独学していました。このままでは、一生趣味の学習者になってしまうと思い、さらに半年間、オンラインでメディカル翻訳講座を受講し、その後、ようやく初めてトライアルを受験した、という流れです(翻訳学習歴のほうがMW学習より、はるかに長いです)。

何がきっかけでメディカルライターを目指そうと思いましたか

ある会社のライティング講座(治験文書)を受講したことがきっかけです。最初は、翻訳の勉強のつもりで受講したのですが、そうではなかったと後で気づきました(笑)。講座の内容が、もし自分で薬を開発したら…という内容で最終的にCSRの一部を簡単に作成する、というものでした。それが面白く、しかも医薬品業界を支えている大事な役割なんだと認識し、目指そうと思いました。

サン・フレア アカデミー「日本語メディカルライティング」を受講したきっかけは何ですか

翻訳講座は多く存在するのに、メディカルライティング講座はあまり無く、あっても高額であったり、私のように超初心者向けの講座がありませんでした。検索をしたところ、唯一これだ! と思う講座が、サン・フレア アカデミーの「日本語メディカルライティング」講座でした。

受講中に苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか

オンライン授業でしたので、時間の都合などがあり、疑問に思ったことや具体的な勉強法を先生に直接聞けなかった点です(一応、質問はしましたが深いところまで聞けませんでした)。また、受講中は会社勤めをしていた期間もあり、課題提出も大変でした。会社を辞めた後でも翻訳の仕事をしていたので、課題提出はいつもギリギリでした。

苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか

正直、すべて解決したわけではありませんが、録画された授業動画を見直して、できる限り自分で調べました。課題提出に関しては、せっかく先生が添削してくださるのに、時間が無いからといっていい加減なものは提出できないと思い、睡眠時間を多少削ってでも、できる限りのものを提出しました。そのような思いで提出したので、先生に「この表現は良いと思います」と褒めていただいた時は非常に嬉しかったのを覚えています。

トライアルに合格するために参考にした資料、ウェブサイト、書籍等を教えていただけますか

一番参考にしたのは、「日本語メディカルライティング」講座の動画です。何回も視聴しました。他の受講生の質問や、作成したものなど、大変参考になりました。また、インターネットで「CTD 2.7.6 疾患名」など入力し検索すると、いくつかCTDが見られるのでそれを参考に文体に慣れるようにしました。意味は分からなくても、読み慣れるのが大事だと思います。なので、ほぼ毎日数ページでもCTDを読んでいました。書籍に関しては、直接トライアルに関係ないですが、『添付文書がちゃんと読める薬物動態学』(じほう)は薬物動態のパラメータを理解するのにおすすめだと思います(私のような初心者向け)。
トライアル合格の通知を受けた時は、嬉しい気持ちと信じられない気持ちと、やっと、スタート地点に立てる、という思いでした。

メディカルライターとしてのこれからの計画を教えてください

未経験者なので、これから少しずつ教えていただきながら、一日でも早くメディカルライターとして、活躍できるようになりたいです。まだまだ、勉強が必要だと思いますし、努力も必要だと思います。ですが、文系出身でもメディカルライターになれることを証明したいと思います。目指すは、夢は大きくシニアライターです。

メディカルライターを目指す方々にメッセージをお願いします

文系出身の私でもトライアルに合格することができたので、やる気さえあれば諦めずに是非挑戦してもらいたいです。私も、まだまだ勉強中です。一緒に頑張りましょう!

 

担当講師からのメッセージ
「① この講座で何が学べるか」「② この仕事(日本語メディカルライティング)の魅力とは何か」「③ どのような人材がもとめられるか、伸びる人とはどんな人か」について、それぞれの講師からのコメントをご紹介します。ぜひ、学習の参考にしてください。

■ 福井克之講師
① 
治験にほとんど関わったことがない方に、基礎編ではメディカルライターとして最低限必要な知識、すなわち、治験で作成されるドキュメントは何か、そのドキュメントに何が書いてあるのかを紹介いたします。さらに、演習編では読者(PMDA審査官、治験担当医師など)に伝えたいことがより正確に伝わるかをみなさまに作成いただいたドキュメントを題材にして解説いたします。

② 新薬は、莫大なお金と長い時間をかけて、基礎研究、動物試験、治験を経て、承認申請が行われます。メディカルライターは、新薬開発の集大成である承認申請に関するドキュメントに携わります。新薬が承認されたとき、承認申請のドキュメントを通して、社会や患者さんに少しでも貢献できたと実感できることがメディカルライターの魅力です。

③ 読者に主張したいことを理解してもらうという気持ちが強い方がもとめられます。読者に理解してもらうために、自分でも内容を正解に理解する、また、ライティング技術を習得する努力を惜しまない方がもとめられます。

■ 太田勝次講師
① 医薬品の「有効性」や「安全性」に比べ、「薬物動態」は実態がわかり難いと受け取られがちな分野です。そこで講義は『薬物動態(Pharmacokinetics: PK)初歩』と題し、「薬物動態とはどういうものか? 何を目的に何を評価するのか?」から始め、Phase I試験やearly Phase II試験といった初期の臨床試験で目にすることの多い「薬物動態に特有の表現」について扱っています。

② 医薬品の研究開発の成果を文書にまとめ上げる役割から、我が国の患者さんの治療や生活の質の向上につながる社会貢献性の観点で‘やりがい’が見つけられるのではと思います。

③ この仕事では、日進月歩の新技術にかかわることが多く、また薬事関連規制等の改定を踏まえた対応も望まれることから、‘自前調査’を粘り強く継続できる方が求められていると思います。

サン・フレアアカデミー

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