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50周年記念インタビュー

2023年に法人設立 50周年を迎えた株式会社サン・フレア。半世紀にわたり最先端の科学技術をはじめとして、あらゆる業種・業態における翻訳実務を手掛けてきました。

「最先端の産業科学技術と文化の翻訳・ドキュメンテーション事業を通して、人々の豊かな生活と、社会の進歩と調和に貢献します。」を使命に掲げ、翻訳・ドキュメンテーション事業の専門家集団としてよりよい知的パートナーとなり、企業がチャレンジするビジネスの成功に力を注いでいます。

主にシステム開発・運用、およびセキュリティに関する業務に携わってきた前田慎一CIOに、50周年を迎えた気持ちやこれまでを振り返って注力してきたこと、これからのサン・フレアについて語っていただきました。

サン・フレアの
ネットワーク構築に尽力

50周年を迎え、改めて今のお気持ちをお聞かせください。

私は今年60歳になりますが、サン・フレアは私が10歳の頃からある会社なんだなあと、改めて感じています。私は1995年に入社しておりまして、25年以上勤務してきました。その間に少しずつ成長してきた会社なので、とても感慨深く思っております。

サン・フレアに入社する前は、どのようなご経歴だったのですか?

大学を卒業後、大手電機メーカーに3年ほど勤務した後、ベンチャー企業で電子カルテの開発に5年ほど携わりました。その後笹井社長から、サン・フレアの関連会社、有限会社アンドロメテックを運営してくれないかと依頼されました。

社長から依頼されたきっかけは何でしたか?

笹井社長は私の親戚にあたるので、私が携わってきた仕事についてご存じだったんです。

当社は翻訳の仕事ということで、パソコンを使って成果物を仕上げるということは当時からしていましたが、パソコンが一人一台ある時代ではありませんでした。

私が入社した1995年は、ちょうどWindows95が出た年です。しかし入社した時は、特定の人だけがお客様とメールのやり取りができる環境でした。まずはネットワークをつないで、社内でお互いのデータのやり取りをできるようにすること、そして各人にメールアドレスを付与して、それぞれがお客様とやり取りができる環境を整えました。

そのあとに手掛けたのが、SIS(Sunflare Information System)と呼んでいる社内業務を管理するシステムの開発です。翻訳の仕事は、一件一件が全部違います。また、言語、分野、ドキュメントの種類など、組み合わせのバリエーションがものすごくある上に、会社ごとに中身も違います。

でもそれを作業していくのは人ですから、それぞれの人のスキルや性格、仕事をする時間…こちらもバリエーションがたくさんあるわけです。それをどうやって結びつけていくかというのが翻訳業ですが、それをデータベースで管理して、上手くマッチングできるようにするのがSISというシステムです。これを開発したことによって、着実に会社が伸びたのかな…と感じています。

現在あるネットワークのベースを作られたわけですね。
もともとの専門は何でしたか?

大学では制御工学を学んでいました。制御というのは、すべからく何でも制御するわけですから、機械的なものから電子的なもの、あるいはコンピュータを使って何でも制御するというのが主題の工学です。

学生の頃からプログラムを作るアルバイトをし、電機メーカー時代は、まさに制御系に携わっていました。

堅固なセキュリティ体制で
企業の信頼を得る

この50年で「翻訳といえばサン・フレア」というのが、世の中に定着したのではないかと思います。知名度を上げることができた要因は何だと思いますか?

笹井社長が築いてきた礎といいますか、お客様の懐にしっかり入り込む、特に大きな企業に積極的に入り込んでいきました。「お客様の要望どおりにすべて承る」という覚悟のもと、仕事に取り組んできたことが一番大きいのではないかと思います。

そしてお客様の要望に対して、きちんと誠実に翻訳の商品づくりをするスタッフが揃っていたことやITで支援できたことも要因の一つではないかと考えています。

ご自身がこれまで注力してきたことは何でしょうか?

先ほども申し上げましたが、一つはSISで、きめ細かく情報を蓄積して、それを上手く使えるように、引き出せるような形を作ってきたことです。それによりレアな分野の専門性を持つ人材についても見つけ出すことができたり、スケジュールを調整してベストな人材をアサインできたり、というように高品質・高効率でサービスを提供できるようになりました。

もう一つはセキュリティ面で、お客様の信頼を得ることに注力をしてきました。

セキュリティのお話が出ましたが、コーポレートサイトでは「3つの強み」に「セキュリティ」を掲げています。アピール点はどんなところでしょうか?

入社当時、私はコンピュータを使って効率化すること、領域を広げることといった、守りというよりも攻めに携わっていくというイメージを持っていました。でもセキュリティというのは、どちらかというと守りの話ですよね。実は入社してから守りを手掛ける比率が大きいことに気付きました。

私自身、個人情報を扱う電子カルテの開発に携わっていたので、セキュリティを意識しないわけではありませんでしたが、当時はまだそんなにうるさく言われない時代でした。でもこの会社に来たことでセキュリティの意識を強く持つようになりました。それは笹井社長がセキュリティの意識を非常に高く持っていらっしゃったからです。

当時、大手外資コンピュータメーカーのI社の仕事を受注しており、かなり厳しいセキュリティを要求されました。

例えば事務所に入退室する時は、鍵を持っていなければ部屋に入れないということを徹底していました。まだ多くの会社が行っていなかったことを、すでに当社は実践していたわけです。そしてセキュリティに関するルールもきちんと定めていました。このような背景があったので、セキュリティが重要だという認識を改めて持ちました。

1995年当時からセキュリティの意識が高かったというのは、すごいことですね。

むしろ1995年以前から、笹井社長はセキュリティに対する意識を高く持っていたと聞いています。I社の仕事を受注し始めたのは1974年頃ですから、その頃から徐々にそういう体制を整えていったのではないかと思います。

お客様から依頼されるものは、すべて企業の機密情報だといえますので、I社に出会ったことでセキュリティの意識を強く持つようになったことは、当社にとって僥倖だったと思います。

翻訳会社で初の
ISO 27001を取得

セキュリティに力を入れているということを対外的に示すため、どのようなことに尽力されましたか?

私が入社してからの話でいえば、ISO 27001を取得したことがとても大きかったです。その前に先行して、品質管理体制に関わるISO 9001を取得していたので、その時の経験を踏まえてISO 27001を取得するという流れになりました。

セキュリティのISOの認証を取るには、細かい管理策が114あって、それに対してきちんと対応していなければ認証が取れません。まずは管理策の一つひとつがきちんとできているかをチェックして、できていないところはどうすればいいのかということから始めました。

ISO 9001の認証を取得したことで慣れていたとはいえ、どこまでやっていいものか分からなかったので、推進メンバーで勉強会をしながら取り組みました。その時に思ったのは、笹井社長がI社からの要請で対応してきたことが、全部その管理策の中に入っていたんです。やはりそういう枠組みの中でできた規格ですし、I社はセキュリティに関することをきちんとやってきたんだなと実感しましたね。

ちなみに翻訳会社でISO 27001を取得したのは、おそらく当社が最初ではないかと思いますが、笹井社長が取り組んできたベースがなければ、取得できなかったのではないでしょうか。

ISO 27001の認証があれば、翻訳を依頼する企業側も安心できますね。

ただ最近はさらに厳しくなってきて、我々がやってきたこと以上のことを、企業側から要求されるようになってきました。全く聞いたことがない要望は今のところないのですが、将来的にはやらなければいけないと思っていたことが、現実に要求として出てくるようになったのだと実感しています。

社会情勢が目まぐるしく変化していく中、セキュリティという観点で、今後目指していくところは何でしょうか?

セキュリティに関しては、やればキリがないですし、コストもかかりますので、バランスよく進めることが必要になります。したがってお客様の要求に応えていくこと、そして競合の一歩先をいくことだと考えています。変化していくという意味では、人工知能であるAIとか、いろいろな技術が出てきています。翻訳に関しても機械翻訳が発達してくる中、我々はどのように対応していくのかというのは大きな課題です。

ただ私は、結局価値を生むのは人間だと思っています。そういう意味でいうと、翻訳業というのはフリーランスの人も含めてたくさんの人の力で知的な部分をお客様に提供する仕事です。人でしかできないことを提供し続けていくことが、鍵になるのかなと思っています。

私ができることはIT関連ですが、以前から笹井社長と、人の創造力を発揮するためには、人じゃなくても、できることはなるべくITに頼って効率化をはかることが重要だと話してきました。今後は、そういう環境をしっかり整えていくことが必要だと考えています。

50周年を迎えて、
メッセージをいただけますか?

これからも人の創造性を商品として届けられるように、ITを通じて私ができることで会社を支えていきたいと思います。

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