サン・フレアアカデミー

「TQE」合格者インタビュー

第86回 IT(英文和訳)

小出さん

1.自己紹介をお願いします

小出と申します。第86回TQE「IT」分野を受験し、英日翻訳で合格しました。同時に受験した日英翻訳の方では合格点に及ばず悔しい思いをしたため、第87回の試験で再チャレンジさせていただきました。現在は、子ども向けのオンライン学習教材やアプリ等を開発する企業にて、社内翻訳等を担当しています。私生活では子供が1人おり、育児と仕事との両立に毎日奮闘しています。

2.受検した言語の学習歴を教えてください

中学生のとき、父の仕事の関係で海外の学校に通うことになり、渡航前の1年間で基本的な文法を必死に詰め込んだのが私の英語学習の始まりでした。海外では思うように英語が話せないことがコンプレックスだった時期もありましたが、自分のプレゼンテーションを録音して何度も発音の練習をしたり、数々の作文の課題をこなしたりするうちに少しずつ英語力を身につけていきました。帰国後、大学ではスペイン語を専攻していたのですが、定期的にTOEICを受験したり、英語のポッドキャストを聞いたりなどして、英語力を保つように心がけていました。

3.翻訳の学習歴を教えてください

現在勤務している会社には3年ほど前に翻訳担当として未経験で入ったのですが、実際の翻訳業務を通して学ぶことが非常に多く、同じチームの翻訳者の方からもいろいろなテクニックを学ばせていただきました。そこで「いつか本格的に翻訳を学びたい」と思うようになり、1年ほど前から独学で翻訳の学習を始めました。スクールに通うのが理想的だとは思いましたが、できる限り自力で頑張ろうと、「翻訳」というキーワードが入っている書籍を何冊も読んだり、TQEの過去問を試し何度も見直したりするなどしてきました。

4.何がきっかけで翻訳者を目指そうと思いましたか

自分の年齢や子供の成長で節目を迎えた時、自分は一体何が好きで何が得意なのだろう?と、今後のキャリアを決めるうえで改めて考えるようになったことがきっかけでした。私の場合は、文章を読み書きすることと英語が好きだったので、翻訳ならとことん突き詰めて勉強できる自信があると思いました。また、今は子供に合わせた働き方をしていますが、今後どのようにライフスタイルが変化していくか分かりません。いつでもどこでもパソコンさえあれば取り組めるという点でも、翻訳の仕事は魅力的でした。

5.TQEを受検したきっかけは何ですか

翻訳の勉強を本格的に始めるとき、具体的にどういった手順を踏めばいいか調べていたところ、TQEについて知りました。TQE合格を目指すことで具体的な目標を設定できるだけでなく、独学であっても試験に合わせて勉強の計画を立てやすいということが大きな理由のひとつでした。翻訳業界ではTOEICの点数は参考程度にしかならず、英語力があっても質の高い翻訳ができるとは限りません。TQEは合否だけでなく自分の翻訳力を点数で知ることができ、訳文の改善につながる細かなフィードバックをいただけるので、スクールに通ったことがない私にとって客観的な意見をいただける貴重な機会でした

6.TQE合格のために苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか

受験しましたが、やはり技術的な専門用語やネットワークの仕組みなどを理解するのにはとても苦労しました。また、翻訳の試験は数が少なく英検やTOEICのように対策本がたくさん出ているわけではないため、自分に合った勉強法が分からず戸惑いました。

7.苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか

翻訳の勉強を始める前に、まずはITパスポートという資格試験を受験し、ITの基礎的な知識を学びました。また、普段から日英両言語でITニュースを読むようにし、頻繁に使われている表現などを体に染み込ませるようにしていました。1回目の受験で不合格だった際に頂いたコメントを頭に入れながら、毎月インターネットなどで翻訳の課題を見つけ、自分が完璧と思える訳文を仕上げる練習をしていました。

8.合格した分野を受検するために参考にした書籍等はありますか

私にとってのバイブルは『翻訳の布石と定石』と『翻訳の泉』です。翻訳力とはこういうことか!と思えるようなノウハウがたくさん詰まっていて、今でも何度も読み返し参考にしています。また、ITパスポートの参考書は私のようなIT初心者でも簡単に基礎を学ぶことができました。訳語に迷ったときは、エンジニアが質問し合うようなコミュニティサイトやHow to記事、YouTubeの動画なども参考にしていました。試験前の追い込みの期間では、アルクの『究極の単語 SVL』シリーズでボキャビルを行い、より効率的に読解できるようにトレーニングしました。

9.翻訳者としてのこれからの計画を教えてください

まず、直近の目標としては日英の翻訳者としても活躍できるようにTQE合格を目指したいです。今回、なんとか英日では合格点を獲得できたものの、プロとして活躍するにはまだまだ実力が足りないと痛感しています。自信を持って翻訳者を名乗れるように今後も勉強を続け、素早く正確な翻訳ができるようになりたいです。
長期的な目標としては、マーケティングや観光など、IT以外の分野の翻訳にも挑戦したいと思っています。

10.TQE合格を目指す方々にメッセージをお願いします

TQEは難関といわれていることもあり、当初合格までの道のりが果てしなく思えました。今できることや、自分の訳文で改善すべきことを洗い出し、自分だけの効率的な勉強法を見出せると良いかと思います。自分の弱点を知るためには、一度TQEを受験してみることをおすすめします。具体的な評価していただけるだけでなく、「本気」で翻訳をする中で自ら弱点に気づくこともあるかと思います。私の場合はまさに、TQEの受験自体が勉強になりました。翻訳力は一朝一夕では身につきません。私もみなさんと一緒に、これからまだまだ勉強を続けていくつもりです。お互い頑張りましょう!

「TQE」概要