サン・フレアアカデミー

「TQE」合格者インタビュー

第104回 特許明細書・機械(英文和訳)

上澤さん

1.自己紹介をお願いします

第104回TQE「特許明細書(機械)」の英文和訳に合格しました、上澤と申します。今回が初受検でした。

2.受検した言語の学習歴を教えてください

小学5年生から英語を習い始めました。通っていた塾は実力に応じて飛び級ができるシステムだったので、どんどん進められるのが面白く、中学校入学前に高校の内容まで進むほどのめり込みました。中学・高校では英語スピーチコンテストやディベートコンテストに積極的に出場したり、海外でホームステイを体験したりしました。英検やTOEICも受検しつつ、英語を含む外国語を学べる大学に進学しましたので、就職するまでは英語と縁が切れない生活を送っていました。

3.翻訳の学習歴を教えてください

先に初級講座「はじめての特許翻訳」を受講していた父から、特許翻訳特有の固い文体が得意そうなのでやってみてはどうかと言われました。私にも課題提出の手伝いやテキスト・動画の確認をする機会があり、特許というものに少し興味を持っていたのと、これからも特許翻訳という分野はそうそう無くならないのではないかと考えましたので、今年に入ってから中級講座「特許明細書A(IT・電気・機械)」をオンラインで受講しました。

4.何がきっかけで翻訳者を目指そうと思いましたか

就職を機に英語をほぼ使わなくなりましたが、稀に日英・英日翻訳のような業務が回ってくることがあり、その際には人の役に立てるだけでなく、楽しく無理なくこなすことができることに気付きました。そうするうちに、できることがあるならそれを活かさない手はない、という思いが強くなりました。

5.TQEを受検したきっかけは何ですか

講座での学習成果を確認する機会として最適ということと、もし良い点が取れれば翻訳実務士の認定を受けることができるため、今後何かの役に立つのではないかと期待した、というのが受検理由です。

6.TQE合格のために苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか

特許明細書で使われる特殊な言い回しや表現に慣れるまでが大変でした。また、私は一貫して文系人間でしたので、記載内容や図面から機械の動き方などを正確に読み取ることができず、致命的な誤訳をして先生からご指摘を受けることが少なくありませんでした。そして今まであまり英文法を気にしてこなかったので、読解では係り受けや目的語をよく読み間違えてしまいましたが、文法用語による解説を聞いても理解が難しいなど、文法を根本的に学び直す必要性も出てきてしまいました。

7.苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか

特許明細書Aの先生から「これまでに伸びた生徒は、授業で指摘されたことは二度と間違えなかった」「自作の辞書を作ることが大切」という旨のお話がありましたので、授業ではしっかりとノートを取り、少しでもわからなかったり間違えたりした単語や表現はExcelにまとめ、次回から参照することで忘れないようにしました。授業では他の受講生の回答例も見ることができましたので、そこから自分の回答にはなかった視点や文法解釈を取り入れることも心がけました。また、課題と似た内容の特許明細書とその訳を読むことで、「機械がこう動くときにはこのような表現や単語が使われる」というような知識も頭に叩き込みました。課題の量は毎週少なくありませんでしたが、文法も理系知識も、特許で使用される範囲に関してはとりあえず丸暗記するつもりで挑み、夢でも翻訳作業をするほど打ち込みました。

8.合格した分野を受検するために参考にした書籍等はありますか

主に参考にしたのは「特許明細書A」のテキストと先生の解説ですが、時間のある時には『翻訳の泉』『翻訳の布石と定石』(三省堂)『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』(丸善出版)を読みました。最後の書籍は英訳に関する本ですが、同じことを言いたい場合における日本語と英語の構成や考え方の違いを学ぶことができ、和訳の役にも立ったと考えています。また、英和辞典を引く際には、これまで読み飛ばしていた「自/他動詞」「可算/不可算名詞」などの文法的な項目にもしっかり目を通すようにしました。これにより、今までいかに雑に英文を捉えていたかわかりました。

9.翻訳者としてのこれからの計画を教えてください

今回はギリギリ合格することができましたが、図面を正確に説明したり、読み手も翻訳者も腑に落ちるような日本語に落とし込んだりするといった点に関してはまだまだ苦手意識があります。理系知識の乏しさについては本当に課題ですので、中学・高校レベルから(日本語で)理系科目の復習をしなければならないと強く感じます。また、現時点では翻訳と訳文の確認にかなり時間がかかってしまっていますので、数をこなして克服していきたいです。今後はさらに多くの分野に対応できる翻訳者になりたいので、受講を始めたばかりの中級講座「特許明細書B(医薬・化学・バイオ)」により一層真剣に取り組むとともに、機械分野の英訳にも挑戦したいと思っています。

10.TQE合格を目指す方々にメッセージをお願いします

自分の経験から、講座で学んでいる場合は、添削された自分の回答をしっかり読んで、翻訳における悪い癖や不適切な表現を減らし、ほんの些細なことでも自作の辞書やメモ帳に記録しておくのが肝要だと思います。こうすることで明細書に対する考え方や文体を早い段階で矯正することができました。また、訳抜けや訳ゆれといったケアレスミスで貴重な1点を失うのはもったいないです。前者に対しては、印刷した原文と訳文を並べて対応箇所を塗り潰す、後者には使用した(自分で選択した)単語をきちんとメモしておき、次に同じ語が出てきたときに違う訳語を使わないようにする、といった対策をして、少しでも多くの点を取れるようにするといいと思います。ご健闘をお祈りしています。

「TQE」概要