セミナー
オンライン
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2024年11月30日(土)14:00~17:00
「仕組み」と「しくみ」を混在させていたら、あなたは生き残れません
和訳⽂を「完成した商品」とする上で、その品質を最終的に決定づけるのは翻訳者の⽇本語⼒であると⾔われます(その認識は、今も⾼まりを⾒せています)。そして、翻訳における「⽇本語⼒」は
①構⽂⼒(⽂を正しく組み⽴てる⼒)
②表現⼒(⽂意を正確に、かつ深く伝える⼒)
③表記⼒(読みやすい⽂に仕上げる⼒)
という3本柱からなっています。今回は、3本⽬の柱である表記⼒を高めるため、漢字/ひらがなにおける表記の統一と使い分けについて学びます。
「表記統一の重要性」の高まりを受けて連続開催します
翻訳文に限らず、ビジネスで記される日本語のテキストでは、作成者が同一語句の表記をしっかり統一することが求められます。さらに翻訳文の場合は「表記が統一されていないと、商品としてそのまま使うことはできない」とまで、近年の翻訳雑誌などでは明記されるようになってきました。そのような認識の高まりに合わせ、一昨年に引き続いて「表記統一スキル拡充編」を開講します。
本セミナーでは理論と実践の両面から、日本語の表記を統一するために欠かせない知識とスキルを身につけていきます。特に今回も、前回と同じく「表記の統一」で最大の問題となっている漢字とひらがなの「表記揺れ」をなくし、ふさわしい形での「統一」と「使い分け」ができるようにトレーニングを行います。講義では、10月19日(土)に行う「ベーシック編」と一続きのものとして最新の表記統一表(2022年開催時のものを参照してください)をお渡しし、随時参照しながら理解を深めていきます。
※講義で参考用として使いますので、共同通信社発行『記者ハンドブック 第14版』を各自ご用意ください。
※今回も行う「言う/いう」に関する講義の様子なので、セミナー風景紹介動画(表記統一編/4分50秒)をぜひ参照してください。また、表記統一の基礎も含む4時間のプログラムで行った「ベーシック編」の様子なので、講師のウェブサイト(2019年6月の実施報告欄)も参考としてください。
<セミナーテーマ/プログラム>
1. 日本語のテキストにおける表記統一の重要性
2. 表記の「統一」とは(広義/狭義)
3. 表記を統一するために必要な知識・フレームワーク(理論と実践)
①「分かち書きの原則」
②漢字とひらがなの使い分けの原則(品詞論)
③異字同訓の使い分け(応用)
④単独語/複合語
⑤音韻面&視覚面からのアプローチ
……等
4. スタイルガイドへの対応
5. 総合実習
※今回は、日本語の表記における漢字―ひらがな間の統一と使い分けをメインテーマとして講義を行います。また、カリキュラムは一部変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
<表記を統一することの重要性について>
たとえば広報・マーケティング翻訳の場合、重要な翻訳対象の一つに、外資系企業のウェブサイトに掲載されている「企業理念」のページがあります。このページは企業としての品位の高さはもちろんのこと、その考え方の一貫性を読み手に訴える役割も有しています。
しかしながら、もしこのページの和訳文の中に ①「お客様」と「お客さま」、②「~を目指します」と「~をめざします」、③「1つの理念」と「一つの理念」が秩序もなく混在していたら、読み手はこの企業にどんな印象を抱くでしょうか。「何だかいいかげんだな…」となる場合も十分ありうるでしょう。これでは、せっかくの企業理念が台無しです。
このように、同一テキスト中に上記のような「表記揺れ」があると読みにくさが増幅され、結果的に読み手の信頼を勝ち取れなくなるのです。ましてや、文章の内容や表現が上質であるほど、その分、表記揺れがもたらすデメリットは大きくなります。そうなれば、表記揺れの多い和訳文を納めた翻訳者には、クライアントからの評価も低まらざるを得ないでしょう。実際、成果物としての和訳文の中に(このページの見出しに記した「仕組み」と「しくみ」のような)頻出語の表記揺れを残してその理由も言えなかった翻訳者が”テキスト作成のアマチュア”と見なされて、以後同じクライアントからの業務依頼を受けられなくなった例が後を絶ちません。
このような問題をなくすには、それぞれの語句の表記をふさわしい形で統一していくことが欠かせません。そのためには、翻訳者自らが表記に関してしっかりとした基準を持ち、業務に適用しながらスキルアップを図っていく必要があります。
そこで今回は、漢字とひらがなにおける表記の「統一」と「使い分け」を学んで表記揺れをなくすとともに、10月19日(土)に開催する「ベーシック編」の内容と合わせて、日本語のテキストとして価値の高い成果物を作れるようにトレーニングしていきます。
※表記を統一することの重要性については「表記統一のすすめ」ページでさらに詳しく記していますので、こちらも参照してください。
あなたが翻訳業務で記す日本語の品質は、和訳文の価値に直結しています。ご自身の仕事の価値をさらに高めるために、奮ってご参加ください。
<受講生の声/表記統一スキル拡充編>
――今まで、表記統一の重要性はわかっていても判断基準がはっきりせず、(何となく経験や信頼できそうな情報源に頼りつつも)悩んだり迷ったりしてきましたが、本セミナーで明確な指針を教わることができました。今後、自信を持ってマイスタイルガイドを作りたいという意欲が湧きました。よい講義をありがとうございました!
――前回のベーシック編に引き続き、今回もとても勉強になりました。表記を統一するための考え方や手法として、目からうろこというより「独学では無理」と思える内容をたくさん教えていただけたと思います。今後、まずは講義でいただいた表記統一表を自分の翻訳に生かすところから始めて、”マイ表記”を確立しながらクライアントのスタイルガイドに対応していこうと思います。
――いつも磯崎先生のセミナーを受講させていただいていますが、今回もとても勉強になりました。表記の統一に関しても、7月のベーシック編と今回の拡充編で学んだことが指標となって、これからよりよい仕事ができそうだという思いが強まりました。今後も引き続き日本語力を高めていけるよう頑張ります!
(「表記統一スキル拡充編」受講アンケートより)
※本セミナーは日本語テキストの表記を統一することによって文章品質を高めるためのものなので、英語などの外国語についての解説はありません。あらかじめご了承ください。
※本セミナーでは講義において共同通信社『記者ハンドブック 第14版』(2022年3月発行の最新版)を使用しますので各自ご用意ください。また、こちらは旧版(第13版など)ではないのでご注意ください。
※本セミナーでは随時、講義内容の確認として演習を行います。その際は、Zoomの機能「手を挙げる」を使って指名された方のみ発言をお願いいたします。
※本セミナーの進行を円滑に行うため、セミナー中はお顔を出してご参加いただけますと幸いです。
※本セミナーは2022年9月3日(土)に開催した同題のセミナーと、ほぼ同一の内容で実施します。
※10月19日(土)には、本セミナーの基礎編として「日本語表記集中セミナー ~ベーシック編~」を開催します。こちらでは漢字や送り仮名、仮名遣いなど、日本語表記の根幹をなすルールを中心として体系的に学んでいきます。本セミナーを受講する上での基盤となる内容で行うので、過去の「ベーシック編」を未受講の方にはあわせてのご受講をおすすめします。
※本セミナーの動画視聴期間は配信開始から7日間です。ご注意ください。