セミナー
オンライン
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2024年5月11日(土)13:00~16:00
薬理研究の主な課題は薬の作用メカニズムを解明することにあります。そのメカニズムを知ることによって,薬の効果を正確に理解できるだけでなく,生体内で生じるかもしれない,効果以外の様々な反応を予測することも可能になります。したがって,薬理研究の成果は,医薬品開発や薬物治療の領域で欠かすことのできない重要な情報になるのです。
薬の作用メカニズムには,酵素に直接結合してその活性を変化させるような単純なものから,薬が受容体という部位に結合することによって起こる一連の反応過程を経て効果を発現するといった複雑なものまで様々なパターンが存在します。今回は,その中から代表的なもの,特に複雑な経路を介して効果発現に至るものを幾つか取り上げて解説し,その複雑なパターンを説明する英文を作成します。
また,作用メカニズムを説明した和文を英訳する事前課題も用意しました。薬理学に馴染みの薄い方にとっては少し難しい内容かもしれませんが,当日の解説を聴くための予習として活用してもらえれば幸いです。事前課題の解答例についてはセミナーで解説します。また,期日までに英訳文を提出していただければ,こちらで気付いた留意点などを当日の解説に盛り込みます。さらに,事前課題に関連した疑問・質問があれば,解答の空白部に書き添えてご提出ください。それらに対しても,当日の解説の中で,できる限りお応えします。
事前課題の一部を紹介:
次の課題文は薬の作用メカニズムについて述べています。日本語と英語の違いやその特徴を考慮して,英語らしい表現の文章に翻訳してください。必要に応じて薬理用語や医学用語を適切に使用してください。なお,英文はAmerican Englishのライティングルールに則って作成してください。どうしても訳せない箇所は,セミナー当日に解説しますので,その理由を書き添えてください。
細胞膜にはホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質が結合する受容体が存在する。受容体は,活性物質が結合する細胞外領域とその結合シグナルを細胞内部へ伝える領域の少なくとも2つの機能部位を有するタンパク質である。受容体は今までのところ,機能的や構造的に6種類,すなわち膜貫通酵素内蔵型,膜貫通細胞内酵素連結型,G蛋白結合型,イオンチャンネル型,細胞内核酸型,および細胞内酵素型に分類されている。これらの受容体は,それぞれ異なった特徴のある細胞膜シグナル伝達メカニズムに関与している。
※ 本セミナーの録画配信期間は動画公開日から2週間です。